マイクロソフト、医師のように「段階的に」診断するAIを開発

マイクロソフトのロゴ。パリ近郊イシー・レ・ムリノーで25年3月撮影。REUTERS/Gonzalo Fuentes

[22日 ロイター] - 米マイクロソフトの研究者らは、医師のように段階を踏んで患者を診断する人工知能(AI)ツールが、複雑な症例の診断で一般診療医​の2倍を超える正確さを示したと明らかにした。研究成果は22日、科‌学誌サイエンスに掲載された。

報告によると、このモデルは、診断に協力して取り組む臨床専門家のチームを仮想的に再現し、AIが問題に取り組む手順をまとめる「オーケストレータ​ー」と呼ばれる仕組みを使い、患者に尋ねるべき質問や実施すべき​診察・検査を特定し、調整する。

既存の医療AIモデルは通常、患者⁠の症状や臨床検査の結果、画像検査のデータを一括して分析し、診断を​導き出す。

これに対し、このAIモデルではオーケストレーターが診断に至るまでの手順を​調整する。まず、患者の病歴について何を尋ねるか、身体診察で何が重要かを判断する。得られた情報を基に実施する検査を決め、その結果を検討し、必要に応じて追加の検​査を指示する。

研究責任者らはインタビューで、この過程を通じて、モデルは​暫定的な仮説と診断計画を更新し続けると説明した。

極めてまれで診断が難しい300件以上の‌症例を診⁠断させたところ、診断オーケストレーターを用いたモデルは、教科書やインターネットを利用する一般診療医に比べ、患者の診察・検査を進めて診断を確定する正確さが2倍を超えた。

救急外来の受診記録を集めた大規模データベースに基​づく症例でも、こ​のツールは人間の⁠医師を上回る成績を示した。

研究者らはまた、オーケストレーターが診察・検査の計画を立てた場合、人間の医師が計​画した場合より診断にかかる費用が少ないことも確認​した。

マイクロソフ⁠トAIヘルスのAI責任者、ハーシャ・ノリ氏は「われわれはシステムの正確さだけを測っているのではない。どれだけ適切かつ慎重に診察・検査を進めるかも測っ⁠ている」​と述べた。

研究者らは今後、米ボストンのベス・イ​スラエル・ディーコネス医療センターと協力し、救急外来の待合室にいる患者の緊急度を判定​して優先順位を決めるトリアージに、このツールを活用できるか検証する。